夢の知覚
夢の知覚は、人によってさまざまであり、同一の人物でも知覚する現象は千差万別です。
ただし、睡眠時の肉体が感じている外的な知覚が夢に影響する事が
知られています。
例えば、寝ている人の顔に短時間、ハンカチを被せたところ、
夢の中で顔に何かものを押し付けられた、という報告が複数あります。
夢の知覚には、性別や年齢によって傾向があるといわれています。
例えば、男性より女性の方が色が付いた夢を見やすい、という
ことがあります。
また、視覚だけではなく、聴覚・触覚・味覚・嗅覚においても
何らかの刺激を感じるといった報告もあります。
しかしながら、痛覚については、ほとんどの事例で感じないと
されています。
このように、感覚においても、人によってもさまざまであり、
同一の人物でも時には感じないこともあります。
夢自体は、白黒映像として視覚のみ投射されていますが、それを知覚、
認識する脳がこれまでの経験における適切な情報を付加していると
されています。
これは、脳にはその所有者に対して都合の良いように処理をする性質に
よるものであり、覚醒時でも、とても色に敏感な人が白黒映画を
見た際にも、あるはずのない色を感じるのと同様な情報操作が
睡眠時に行われている、と考えられます。
夢には、時間軸が存在せず主観時間でのみ知覚しているとも
考えられています。
これは、目が醒めた時点で記憶されている夢の多くは、覚醒前
20分以内に見たものとされていますが、夢の中では実際の睡眠時間よりも
長い、数時間〜数日に感じたというケースが多いことが挙げられます。